9/15/2012

昔の夢の記録(2008年)


2008年6月24日




鈍い鉄色の列車で海沿いのレールをひたひた走ると、 
白い石壁の平屋ばかりが一面に建っている海岸に着く。 
まるで外国に来たように思う。

人の気配は全くなく、シンと静まり返っている。 
日暮れの時間で、あたりは緑がかった光に染まっていく。 
「ガラスを横から見た時に見える青緑色だ、これはいい」と独り言をつぶやいた。 

いつのまにか、1つの家の壁に透き通ったなめくじが這っていた。 
私の身長と同じほどもある大きさに少しひるんだけれど、 近くでしばらく眺めていた。
青緑の光がどんどんなめくじの体に入って、体の内側で反射を繰り返していた。 





2008年2月10日 





白い軍 VS 黒い軍 の戦争が長いこと続いている。

【特徴】 
味方軍:白い軍
○みんな、顔の前にうっすら白い楕円が浮いている 
○リーダーは、シチューの好きそうなぽっちゃり色白青年。 
○私はNo.2。

敵軍:黒い軍 
●みんな、顔の前にうっすら黒い楕円が浮いている。
●昔は白い軍と仲良かった 原因不明で不仲に 。
●リーダーは、
・やたら鋭い目  
・いらいらしだすとチャイルドプレイのチャッキー顔になる 


白い軍は、私の実家で作戦会議中。 

ベランダから遠くを見ると、黒い軍が攻めに来ているのが見えた。まずい!来るぞ!
家中のカギをしめてまわるけど、1階和室の鍵がなぜかしめられない。
焦れば焦る程、閉まらない。 
鍵を閉められたその瞬間に、窓の向こうで黒い軍のリーダーが
恐ろしいチャッキー顔で斧をふりおろした。 危ないところだった。

白い軍は形勢不利なので、大学へ行って教授に戦略を相談しなければ。 
大学の庭のアマゾンに生えている薬草も、摘んで補給しておかないといけない。 

白リーダーと私は、橋本駅ロータリーで大学行きのバスを待った。
駅前は雪が積もっていて一面真っ白だった。 
私たちは顔の前に白い楕円があるし、服も白いから、景色にまぎれて敵の目を欺けてちょうどいい。

係の人が白いざらめをスコップで道に撒いて、敷き詰めている。 
(雪でもう充分に真っ白なのに、ざらめもったいないなあ。)と横目で見ていたところに、バスが到着した。
昇降口が開くと、 ザラメのまぶされた和菓子がなだれ落ちてきて、私は和菓子に埋もれて気絶した。 

目が覚めると大学の教室で、教授に今後のアドバイスを言い渡される最中になっていた。 
教授「山口県にいきなさい、助言が得られるよ」 

大学の庭のアマゾンからは、日本上空に飛ぶことができることになっている。 
ひざを深く折り曲げて思いっきりジャンプすると、一気に上空へ飛んだ。 
天気予報のように関東地方を見下ろし、手を広げて西に向かう。  

茶色い山脈が本州の真ん中に通っているのを見下ろしながらブーンと飛ぶ。 
海の水深を示す等高線が、青い海の上に濃い青インクで、大急ぎで引かれていくのが見えた。 
(上から見られると思っていなかったらしい。)

さっきバス停でポケットに入ってしまったらしい和菓子がポッケからこぼれて、
ざらめがキラキラ光り、山へ、海へ、落ちていく。
「上を向いて口を開けている山のたぬきにちょうど落ちたらいいのにね」
と横を飛ぶリーダーに話しかけるが、無視された。 

本州はしっこに着地。 
“山口の助っ人”は遺跡に住み着く縄文時代の格好の人。  
「黒との争いはそもそも誤解なんだよ」と教えてくれた。 
なにが誤解なのかはわからないけど、誤解だったのだとすっごく納得した。 

帰り道の日本上空飛行中、ずっと考えていた。
私たちは長い間なんて無益な争いをしていたんだろうと。 

私の顔の前の楕円は黒白不安定に点滅していた。 

家に戻ると、やはり黒い人はいい人達で、またリーダーはよく見れば優しくハンサムなナイスガイだった。 
恋に落ちた。めでたしめでたし、ハッピーエンドのエンディング画面。スタッフロール。 






2008年2月13日 











曇り空。
コンクリートの灰色ばかりが目につく、河の護岸壁沿いを歩いている。 
「護岸壁の上から河を覗くと川底まで40メートルくらいある。水かさは5メートルくらいある。」と、何故かすぐ距離の数値がわかった。
流れの速い濁流。すごい高低差に吸い込まれそう。 

唐突に雲が晴れ、強い日差しが照りつけると、河が一瞬で透き通って流れが止まった。 

すると、ちょうど真下の川底に、それは巨大な2匹の象が交尾中なのが見えた。 
広い背中に水面の光の網が映ってゆっくり揺れていて、とてもきれい。 
きれいさに感心すると、水面は得意げに3段に分裂した。 

3重になった光の網が複雑に重なって、象の背中はますます美しい。
みとれて鞄を川に落としてしまった。 
川に降りるため、階段へむかうと黒いイガだらけの虫がびっしり。 
どうしよう。1番下までびっしりだ。 

このやたら高低差の大きい階段、見張り番に麦わら帽の男が入り口に立っている。
男は、日差しの強さに目を細めながら「でも、南米ではどこでもいる虫だから」とあっけらかんと言った。 
そうなんだ、じゃあしかたないなあ。 

踏みつけながら駆け下りる。この虫は足に本当にいたい。 
早く降りて、象の背中に足の裏をつけたい。 そうしたら悪いもの全部、治るからなあ。